運動後にストレッチが必要な理由は?おすすめのストレッチもご紹介
運動をはじめる前にはストレッチをする方が多いのですが、運動後はそのまま帰宅してしまう方もいらっしゃるようです。
運動後のストレッチを怠ると、疲労を翌日に残しやすいうえ、スポーツにともなうケガのリスクも増加するため注意が必要です。
こちらの記事では、運動後にストレッチが必要な理由について解説していきます。
記事の後半では疲労回復やケガの予防におすすめのストレッチも紹介しているので、ぜひこの記事を読んでストレッチの重要性を知ってくださいね。
運動後にストレッチが必要な理由
ストレッチは運動の前にするものだと思われがちですが、運動後にストレッチをする必要があるのは以下3つの理由からです。
- 身体にかかる負担を軽減する
- 翌日に疲れを残さない
- スポーツにともなうケガの予防
ここでは、運動後にストレッチが必要な3つの理由について解説します。
運動後にストレッチが必要な理由①身体にかかる負担を軽減する
運動は身体によいと言われますが、あくまでも健康の手助けになる範囲で行うことが前提です。
身体を動かすと一時的に心拍数が増加し、筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことで全身の血液循環がスムーズになります。
しかし、いきなり運動をやめてしまうと、筋肉の収縮と弛緩により血液を心臓へ送り戻す機能が低下するため、心臓に大きな負担を掛ける結果となります。
運動後にストレッチをして徐々に血液の流れを落とすことで、心臓にかかる負担を軽減することが可能です。
運動後にストレッチが必要な理由②翌日に疲れを残さない
健康のためにはある程度の運動が必要ですが、身体を動かすと疲れることには変わりがありません。
運動すると血液中に疲労物質の一種である乳酸が発生しますが、血液の流れがスムーズであれば自然と体外へと排出されます。
しかし、運動を急にやめると血液中に乳酸が留まるため、翌日に疲労を残しやすくなります。
翌日に疲労や筋肉痛を残さないためにも、運動後にストレッチを行い、乳酸の排出をサポートすることが必要です。
運動後にストレッチが必要な理由③スポーツにともなうケガの予防
運動をするとねんざや脱臼、肉離れといったスポーツ外傷はもちろん、テニス肘や野球肩などのスポーツ障害を発症する可能性があります。
特にスポーツ障害は一度の衝撃ではなく、局所への繰り返される負荷によって発症リスクが増加するため、普段からストレッチを行い予防することが重要です。
運動による疲労や筋肉痛はパフォーマンスや集中力を低下させる恐れもあるため、運動後にストレッチを行いリフレッシュすることが欠かせません。
運動後のストレッチに期待できる効果
ここまでの解説で、運動後のストレッチがいかに重要かお分かりいただけたのではないでしょうか。
次に運動後のストレッチに期待できる、以下3つの効果について見ていきましょう。
- 血行促進
- リラクゼーション
- 関節の可動域向上
運動後のストレッチに期待できる効果①血行促進
筋肉には関節を動かしたり体温を産生したりする働きのほかに、血液の循環をサポートする働きがあります。
筋肉が収縮すると血管が圧迫されて血液の循環をサポートするのですが、この働きのことを「筋ポンプ」と呼んでいます。
ストレッチを行うと筋肉が圧迫された後に弛緩するため、筋ポンプの機能が供花されて血液の循環を無理なく促進できるのです。
運動後のストレッチに期待できる効果②リラクゼーション
厚生労働省ホームページには、30分間のストレッチの前後で前頭葉でのアルファ波の増加・および心拍数の低下が明らかになったとの記載があります。
アルファ波は心身がリラックスしている際に主体となる脳波です。
心拍数の低下は自律神経のうち、副交感神経が優位に傾くことで起こりますが、副交感神経も心身がリラックスしている際に働きます。
上記の2点から、ストレッチにはリラクゼーション効果も期待できることが分かります。
運動後のストレッチに期待できる効果③関節の可動域向上
人間の身体は筋肉と骨格とで構成されており、関節は骨格筋の収縮により曲げたり伸ばしたりすることが可能です。
運動をすると筋肉が収縮して関節の動きが制限されますが、ストレッチで筋緊張を解消すると、関節の可動域が向上します。
関節の可動域が向上すると、関節や筋肉にかかる負担が軽減されるため、運動時のケガのリスクを下げる結果につながります。
運動後におすすめのストレッチ3選
運動後にストレッチを行う場合、大きな筋肉を緩めるのが効果的なので、身体を以下の3パーツに分類して効率よくストレッチを行いましょう。
- お尻のストレッチ
- 太もものストレッチ
- 体幹のストレッチ
ここでは、運動後におすすめの3つのストレッチについて解説します。
運動後におすすめのストレッチ①お尻のストレッチ
人間の筋肉の7割は下半身に集中しているため、全身の血行を促進するには下半身を重点的にストレッチするのが効果的です。
特に殿筋をしっかりとストレッチすることで、股関節の可動域を向上させ、腰痛などの不調を予防することが期待できます。
お尻のストレッチは以下の手順で行いましょう。
② 左ひざを曲げて両手で抱え、右肩の方に向かって引き寄せる
③ 30秒たったら反対側も同様に行う
ひざを反対側の肩に引き寄せると、より効率的にお尻の筋肉がストレッチされます。
運動後におすすめのストレッチ②太もものストレッチ
全身の血行を促進するには下半身のストレッチが効果的ですが、中でも太い筋肉が集まっている太もものストレッチは欠かせません。
太ももの筋肉をしっかりとストレッチすると、下肢の血流が促進され疲労の回復や筋肉痛の予防効果が期待できます。
太もものストレッチは以下の手順で行いましょう。
②右ひざを曲げてお尻の横に持ってくる
③右足だけ正座するようなイメージで太ももの前を伸ばす
④30秒たったら反対側も同様に行う
③のときに腰がヨガマットや布団から浮かないように意識しましょう。
運動後におすすめのストレッチ③体幹のストレッチ
体幹は全身から両手と両足を除いた部分を意味しており、特に腹筋や背筋を意識的にストレッチすることで、全身の血液の循環を促進することが可能です。
体幹のストレッチは以下の手順で行いましょう。
② 腕立て伏せをするようなイメージで両手を付き、上半身だけ大きく反らす
③ 次にヨガマットや布団の上で正座をする
④ 両手を前に伸ばしお祈りをするようなイメージで背中を伸ばす
④のときに可能な限り手を前の方に着けるようにしましょう。
運動後にストレッチを行う際の注意点
ストレッチにはさまざまな効果が期待できますが、運動後に行う場合は以下の3点に注意してください。
- 運動後30分以内に行なう
- 筋肉を痛いほど伸ばさない
- ストレッチの後は身体を温める
運動後にストレッチを行う際の注意点について、さらに詳しく見ていきましょう。
運動後にストレッチを行う際の注意点①運動後30分以内に行う
運動後に行うストレッチはクールダウンの一環でもあるため、運動をやめてから30分以内に行なうのが基本です。
運動をやめてから時間が経ちすぎると、筋肉が収縮して硬くなるため、ストレッチによってかえって筋肉を傷めてしまう可能性があります。
運動後のストレッチは、完全に汗が引く前に行うものだと覚えておきましょう。
運動後にストレッチを行う際の注意点②筋肉を痛いほど伸ばさない
かつてストレッチは痛いほど伸ばすのが効率的とされていましたが、現在では否定されていることをご存じでしょうか。
筋肉を伸ばしすぎると脳から「縮めるように」指令が下され、かえって筋肉の緊張を招いてしまいます。
ストレッチはあくまでも気持ちよいと感じる範囲で行うことが原則です。
運動後にストレッチを行う際の注意点③ストレッチの後は身体を温める
運動後のストレッチはクールダウンを目的として行われますが、就寝前にはお風呂で身体を温めるのがおすすめです。
湯船に浸かると水圧作用により筋肉が適度にマッサージされ、疲労回復を早める効果が期待できます。
ただし、運動後すぐ入浴するとかえって疲れが取れにくくなるため、30分以上空けてから入浴しましょう。
運動後にストレッチが必要な理由|まとめ
運動後にストレッチが必要なのは、以下の3つの理由からであることが分かりました。
- 身体にかかる負担を軽減する
- 翌日に疲れを残さない
- スポーツにともなうケガの予防
運動後のストレッチを欠かすと筋緊張や疲労を翌日に持ち越し、パフォーマンスの低下やケガのリスクにつながるため注意が必要です。
今回ご紹介したストレッチはどれも簡単なものばかりなので、日常的に取り組んで筋肉や関節を柔軟に保ち、運動を快適に楽しみましょう!