寝る前のストレッチはなぜ痩せるの?見た目やせのポイントなどを解説
寝る間のストレッチは痩せるのに効果的と言われることがありますが、ストレッチには脂肪燃焼効果がそれほど期待できません。
では、なぜ寝る前のストレッチで痩せると言われるのでしょうか?
実は、ストレッチには直接的に体重を減らす効果ではなく、体形を改善して見た目やせを実現する効果が期待できます。
本記事でストレッチの本当の効果を理解して、体形の改善に役立ててくださいね。
目次
そもそもストレッチに期待できる効果とは?
寝る間のストレッチでなぜ痩せるのかについて解説する前に、そもそもストレッチにはどのような効果が期待できるのか知っておきましょう。
ストレッチには一般的に以下の効果が期待できると考えられています。
- 筋肉や関節を柔軟に保つ
- 血行を促進する
- 心身共にリラックスできる
ストレッチに期待できる3つの効果について解説します。
ストレッチの効果①筋肉や関節を柔軟に保つ
ストレッチにはいくつかのやり方がありますが、筋肉や関節を柔軟に保てるようになるという共通点があります。
筋肉(骨格筋)は骨と骨とを結んでおり、収縮することで関節を自由に動かせる構造となっているので、筋肉が硬くなると関節の動きが悪くなりますが、ストレッチに取り組むことで柔軟性を保てるようになります。
身体が硬い方でも継続的にストレッチをすると次第に柔軟性が出てくるので、諦めずに取り組むことが大切です。
ストレッチの効果②血行を促進する
筋肉には関節を動かすだけでなく、体温を産生したり血液の循環をサポートしたりするはたらきがあります。
例えばふくらはぎの筋肉が収縮することで(筋ポンプ)、下半身の血液を心臓へ送り返す作用が強くなります。
ストレッチで筋肉を適度に収縮させると、全身の血行を促進する効果が期待できます。
ストレッチの効果①心身共にリラックスできる
ストレスなどが原因で心や身体の張りつめた状態が続くと、自律神経のうち交感神経が優位に傾いて興奮状態になります。
また、交感神経が優位に傾くと筋紡錘が刺激され、さらに筋緊張を生じるといった悪循環に陥ります。
ストレッチで筋肉を緩めると副交感神経を優位に傾け、心身共にリラックスできる効果が期待できます。
寝る前のストレッチでなぜ痩せると言われるの?
寝る前のストレッチでなぜ痩せるのかについては、主に以下の3つの理由があげられています。
- 代謝が向上する
- 無駄な食欲を抑えられる
- 骨盤のゆがみが整う
寝る前のストレッチでなぜ痩せるといわれるのか、3つの理由について詳しく見ていきましょう。
寝る前のストレッチで痩せる理由①代謝が向上する
ストレッチを行うと血行が促進し、代謝が上がります。
そのため、ストレッチによって筋緊張を緩和すると代謝が向上し、痩せやすくなるといわれるのです。
代謝の中でも基礎代謝は1日に消費するエネルギーのおよそ7割を占めているため、痩せるためには基礎代謝を向上させることが欠かせません。
寝る前のストレッチで痩せる理由②無駄な食欲を抑えられる
痩せるためには基本的に「消費カロリー>摂取カロリー」の状態に保つことが欠かせません。
つまり、痩せるためには運動をしてカロリーを消費するか、食事制限で摂取カロリーを減らすほかありません。
ところが、睡眠不足が続くと体重を増加させる嗜好性の高い食品を摂取する傾向にあることが分かりました。
ストレッチでリラックスして良質な睡眠を得ると無駄な食欲を抑えられるため、痩せやすくなると考えられています。
寝る前のストレッチで痩せる理由③骨盤のゆがみが整う
普段の不良姿勢や妊娠・出産などが原因で骨盤が後傾すると、内臓が下がってお腹が出やすくなるとされています。
骨盤が後傾する原因の1つが、骨盤周囲やハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)の筋緊張です。
ストレッチで骨盤周囲やハムストリングスの緊張を緩和すると、骨盤が正しい位置に戻るため太りにくくなるとされています。
寝る前のストレッチで痩せる根拠に対する疑問点
寝る前のストレッチでなぜ痩せるのかについての理由は、インターネットなどでよく見かけるため「なるほど」と思われた方も多いのではないでしょうか。
しかし、医学的な観点から見ると逆に以下のような疑問点が生じます。
- 基礎代謝アップは期待できない
- 脂肪燃焼は起こらない
- 期待できるのは太りにくくなること
寝る前のストレッチに関する4つの疑問について見ていきましょう。
寝る前のストレッチへの疑問①基礎代謝アップは期待できない
寝る前のストレッチでなぜ痩せるのかに関する根拠の1つが、代謝の向上につながることでした。
しかし、ストレッチで向上するのは新陳代謝であり、基礎代謝ではありません。
新陳代謝が向上すれば美肌効果などは期待できますが、基礎代謝は向上しないためダイエット効果は期待できないといえるでしょう。
寝る前のストレッチへの疑問②脂肪燃焼は起こらない
ストレッチで脂肪燃焼を活発化させると、ダイエット効果が得やすいといわれることがあります。
しかし、ストレッチ程度の運動で脂肪燃焼を活発化させることは難しいでしょう。
効率的に脂肪燃焼を起こすためには、一定時間の有酸素運動を続けることが重要です。
また、脂肪を揉んだりつねったりする施術を受けても、施術者の脂肪燃焼は起こっても、揉まれた側の脂肪燃焼が起こることはありません。
寝る前のストレッチへの疑問③期待できるのは太りにくくなること
寝る前のストレッチでなぜ痩せるのかに関する説を見ていると「風が吹けば桶屋が儲かる」的な論調を感じざるを得ません。
確かにストレッチをすれば筋肉が柔軟になり、血液の循環を促進することが可能ですが、体重が減ることはありません。
筋肉や関節の柔軟性を高め、運動パフォーマンスを向上させることはできますが、痩せるというよりは太りにくくなるといった方が正確なのではないでしょうか。
寝る前のストレッチには見た目やせ効果が期待できる
寝る前のストレッチで痩せるのは難しいと聞いて、ガッカリした方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、寝る前のストレッチで体重が減ることはありませんが、以下のような見た目やせ効果を得ることが期待できます。
- 足やせ
- ウエストラインの引き締め
- ヒップアップとバストアップ
寝る前のストレッチに期待できる見た目やせ効果について解説します。
ストレッチの見た目やせ効果①足やせ
女性の中には足の太さに悩まされている方も少なくありませんが、多くがむくみによって太く「見えている」傾向にあります。
なぜなら、男性に比べて筋肉量に劣る女性は、もともと血行不良によって足のむくみが生じやすいのです。
寝る前のストレッチで下半身の血液を促進すると、むくみを解消して足やせ効果を得ることが期待できます。
ストレッチの見た目やせ効果②ウエストラインの引き締め
デスクワークなどが原因で猫背や反り腰になると、腹圧が低下するためポッコリお腹のリスクが上昇します。
特に筋力の弱いデスクワークの女性は、腹圧の低下によりポッコリお腹になりやすいため注意が必要です。
猫背や反り腰の姿勢は座り方だけでなく、殿筋やハムストリングス、大腰筋などの緊張が原因となって起こります。
寝る前のストレッチで姿勢を改善すると、腹圧が上昇してウエストラインを引き締める効果が期待できます。
ストレッチの見た目やせ効果③ヒップアップとバストアップ
見た目やせ効果を得るためには、全身のバランスを整えることが欠かせません。
例えばデスクワークで猫背の姿勢を続けていると、背中が丸くなるためお腹がポッコリと出て見えてしまいます。
また、女性に多い反り腰の姿勢を続けていると、お尻と下腹部が強調されるため注意が必要です。
寝る前のストレッチで骨盤のバランスを整えると、姿勢改善によりヒップアップやバストアップ効果が得られやすくなります。
ストレッチで見た目やせ効果を得るポイント
ストレッチで体重が減ることはありませんが、見た目やせ効果があると分かればチャレンジしたい方もいるのではないでしょうか。
ストレッチで見た目やせ効果を得たいのであれば、以下3つのポイントを押さえておくことが重要です。
- 体重より体型を重視する
- メリハリが大事だと知る
- 姿勢を見直す
ストレッチで見た目やせ効果を得るためのポイントについて解説します。
見た目やせ効果を得るポイント①体重より体形を重視する
ダイエットをする方の多くが、食事制限によって体重を減らすことに重点を置いているのではないでしょうか。
確かに体重が減れば痩せたということになるのですが、もしかしたら栄養不足により「やつれている」だけかもしれません。
また、食事制限で体重が減ったように感じるのは、単にむくみが減っているだけの可能性もあります。
見た目やせ効果を得るためには、体重よりも体形を重視することが重要です。
例えば155㎝で55㎏という女性がいた場合、少し太り気味に思われるかもしれませんが、その女性がオリンピックのトップアスリートとしたら話は別ですよね。
過度に体重にこだわるのではなく、バランスの良い体形を目指すことで見た目やせ効果を得るためのポイントです。
見た目やせ効果を得るポイント②メリハリが大事だと知る
見た目やせに必要なことの1つがメリハリです。
例えばバレリーナの方を近くで見ると非常に筋肉が発達していますが、遠めにバレリーナが太って見えることはありませんよね。
なぜバレリーナが痩せて見えるかというと、出るところは出て締まる所は締まる、メリハリのあるボディラインをしているためです。
寝る前のストレッチで姿勢が改善されるとウエストの引き締めやヒップアップ、バストアップにより見た目やせ効果が得られやすくなります。
見た目やせ効果を得るポイント③姿勢を見直す
デスクワークが主流となった昨今、体重以上に太って見える方や、お腹やお尻が出て見える方が多い傾向にあります。
その大きな理由の1つが、骨盤の前後への傾きによる猫背や反り腰の姿勢です。
見た目やせ効果を得るためには、寝る前のストレッチで無駄な筋緊張を緩和し、姿勢を見直すことが欠かせません。
見た目やせにおすすめのストレッチ3選
見た目やせには無駄な筋緊張を緩和して骨盤の傾きを取り除き、全身の血行を促進することが欠かせません。
見た目やせには以下3つのストレッチがおすすめです。
- 大腿四頭筋のストレッチ
- 殿筋群のストレッチ
- 大腰筋のストレッチ
見た目やせにおすすめの3つのストレッチをご紹介します。
見た目やせストレッチ①大腿四頭筋のストレッチ
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は太ももの前側にある大きな筋肉で、緊張すると血行不良により足が太く見えやすくなります。
特にO脚気味の方の多くに大腿四頭筋の緊張が見られるため、美脚のためにもストレッチに取り組むことがおすすめです。
大腿四頭筋のストレッチは以下の手順で行います。
② 右ひざを曲げて足首をお尻の横につける
③ 30秒たったら反対側も同様に行う(3セット)
②のときに、腰が布団やベッドから浮かないよう注意しましょう。
見た目やせストレッチ②殿筋群のストレッチ
殿筋(でんきん)群はお尻にある大きな筋肉で、硬くなると骨盤が後ろに傾くため猫背やぽっこりお腹のリスクを高めます。
デスクワークで猫背になりやすい方は、殿筋群のストレッチに取り組みましょう。
殿筋群のストレッチは以下の手順で行います。
② 右ひざを曲げて両手で抱え胸の方へ引き寄せる
③ 30秒たったら反対側も同様に行う(3セット)
ひざを胸の方へ引き寄せる際に、反対の肩に向けて少しひねるとより効率的にストレッチできます。
見た目やせストレッチ③大腰筋のストレッチ
大腰筋は腰の骨と股関節を結ぶお腹の筋肉で、硬くなると骨盤が前に傾くため反り腰や出っ尻のリスクを高めます。
筋力の弱い女性は大腰筋が硬くなりやすいため、普段からストレッチで柔軟に保つことがおすすめです。
大腰筋のストレッチは以下の手順で行います。
② 両ひざを曲げながら上半身をまっすぐ下ろす
③ 前の太ももと床が平行になったら30秒キープする
④ 前後の足を入れ替えて同様に行う(3セット)
②のときにフラフラする方は、椅子の背もたれなどにつかまるとよいでしょう。
寝る前のストレッチで痩せる理由|まとめ
寝る前のストレッチでなぜ痩せるのかについての理由には、残念ながら医学的な根拠が乏しいと言わざるを得ません。
しかし、ストレッチで体重を減らすことはできなくても、足やせやウエストラインの引き締めといった見た目やせ効果を得ることは十分に期待できます。
今回ご紹介した簡単なストレッチに取り組み、メリハリのある美しいボディラインを手に入れましょう!