首の寝違えに効果的な4つのストレッチと行う際の注意点について解説
デスクワークにともなう疲労の蓄積や育児中の睡眠不足、夜間の冷えなどが原因で寝違えを引き起こすことは珍しくありません。
寝違えたばかりの時期は安静が第一ですが、急性期を過ぎたらストレッチで症状を緩和することが期待できます。
本記事では寝違えに効果的な4つのストレッチと、行う際の注意点について分かりやすく解説しています。
痛くてストレッチできない場合の対処法も紹介しますので、参考にしてくださいね。
目次
首の寝違えはストレッチで改善できる?
首の寝違えにともなう痛みは、ストレッチで改善することが期待できます。
ただし、寝違えたばかりのときに無理なストレッチをすると、かえって痛みが増してしまう恐れもあるため注意が必要です。
また、何らかの病気が疑われる場合には、自分で判断するのではなく、専門の医療機関を受診しましょう。
首の寝違えで病院に行く目安
首の寝違えは特に珍しい症状ではありませんが、もし以下のような症状をともなうようであれば、念のために医療機関を受診することをおすすめします。
- 痛みを感じない姿勢が見つからない
- 手のしびれや感覚の鈍麻をともなう
- 自律神経系の不調が続く
首の寝違えで病院に行く目安について、さらに詳しく解説します。
首の寝違えで病院に行く目安①痛みを感じない姿勢が見つからない
首の寝違えで病院に行く目安の1つが、痛みを感じない姿勢が見つからないときです。
安静にしていてもズキズキと痛みが続く場合、何らかの疾患を発症している可能性も疑われます。
寝違え程度で病院に行くのは大げさなどと思わず、早めに専門医の診察を受けましょう。
首の寝違えで病院に行く目安②手のしびれや感覚の鈍麻をともなう
手のしびれや感覚の鈍麻をともなうときも、首の寝違えで病院に行く目安の1つです。
首の痛みだけでなく上肢の症状が見られる場合、頚椎椎間板ヘルニアなどの疾患を発症している可能性も疑われます。
放置すると下半身にまで症状がおよぶ恐れもあるため、なるべく早めに整形外科を受診しましょう。
首の寝違えで病院に行く目安③自律神経系の不調が続く
自律神経系の不調が続く場合も、たかが寝違えと思わず早めに医療機関を受診しましょう。
首には神経のツボとも呼ばれる星状神経節が分布しており、筋緊張により圧迫されるとめまいや多汗、倦怠感、抑うつ症状などさまざまな不調のリスクが高くなります。
何度も寝違えを繰り返していて、自律神経系の不調が出やすい方は、一度専門医の診察を受けましょう。
首の寝違えに効果的な4つのストレッチ
首を寝違えた場合には、患部に負担をかけずに症状の緩和が期待できる、以下の4つのストレッチがおすすめです。
- 肩甲下筋のストレッチ
- 上腕三頭筋のストレッチ
- 大円筋のストレッチ
- 小胸筋のストレッチ
首の寝違えに効果的な4つのストレッチについて詳しく見ていきましょう。
首の寝違えに効果的なストレッチ①肩甲下筋のストレッチ
肩甲下筋(けんこうかきん)が緊張して硬くなると、肩甲骨の可動域が減少して寝違えのリスクを高めます。
肩甲下筋のストレッチは以下の手順で行いましょう。
② 右手で左の人差し指から小指をつかみ手首を反らす
③ 手首を反らしたままつかんだ指先を右側にねじる
④ 30秒たったら反対側も同様に行う
③のときに肩甲骨の外側に違和感を覚えれば、上手にストレッチできている証拠です。
首の寝違えに効果的なストレッチ②上腕三頭筋のストレッチ
上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)は力こぶと反対側にある筋肉で、緊張すると筋膜を介して首への負担を増加させます。
以下の手順で上腕三頭筋を気持ちよくストレッチしましょう。
② 右手の甲を左手首に当て真っすぐ右に伸ばす
③ 30秒たったら反対側も同様に行う
②のときに腕が下がらないよう、真っすぐ横に伸ばすよう意識しましょう。
首の寝違えに効果的なストレッチ③大円筋のストレッチ
肩甲骨と二の腕を結ぶ大円筋(だいえんきん)が硬くなると、腕を動かす動作にともない寝違えの痛みが出やすくなります。
大円筋は以下の手順でストレッチしましょう。
② 腕を前に伸ばしながら頭を下げる(お祈りするようなポーズ)
③ 30秒×3セット繰り返す
②のときに脇の下が伸びるような感じがあれば、上手にストレッチできている証拠です。
首の寝違えに効果的なストレッチ④小胸筋のストレッチ
身体の前側にある筋肉で唯一肩甲骨に付着している小胸筋(しょうきょうきん)が硬くなると、肩甲骨が前傾して動作時の痛みが出やすくなります。
小胸筋は以下の手順でストレッチすることがおすすめです。
② 両手を肩幅より広く開く
③ 左手を曲げながら上半身を倒して右手を伸ばす(顔は左を向く)
④ 30秒たったら反対側も同様に行う
③のとき肩の前側が伸びるように感じれば、上手にストレッチできている証拠です。
首の寝違えでストレッチを行う際の注意点
首の寝違えでストレッチを行う際には、以下の4点に注意しましょう。
- 痛みが強いときは無理をしない
- 伸ばす筋肉を意識しない
- 頭をなるべく動揺させない
- 痛み止めの服用中は行わない
首の寝違えでストレッチを行う際の注意点について解説します。
首の寝違えでストレッチを行なう際の注意点①痛みが強いときは無理をしない
寝違えにともなう痛みが強いときには、無理をしてストレッチしないようにしましょう。
無理にストレッチをすると傷ついた筋線維にダメージが加わり、かえって痛みを増加させる恐れがあります。
また、痛いからといってストレッチの効果が高まることはないため、気持ちよく感じる範囲で行うのが基本です。
首の寝違えでストレッチを行なう際の注意点②伸ばす筋肉を意識しない
意外に思われるかもしれませんが、ストレッチのときには伸ばす筋肉を意識しないようにしましょう。
伸ばす筋肉を意識してしまうと、かえって筋肉を緊張させることが分かってきています。
ゆったりとリラックスした気分で「なんとなく伸びているかな」程度にストレッチするとよいでしょう。
首の寝違えでストレッチを行なう際の注意点③頭をなるべく動揺させない
首の寝違えでストレッチを行う際には、頭をなるべく動揺させないようにすることが重要です。
ストレッチにともなって頭が動いてしまうと、寝違えにともなう痛みが出やすくなります。
首の寝違えでストレッチをする目的は、あくまでも首以外の筋緊張を緩め、結果的に患部への負担を緩和する点にあると覚えておきましょう。
首の寝違えでストレッチを行なう際の注意点④痛み止めの服用中は行わない
首の寝違えで痛み止めを服用している場合は、ストレッチを行わないようにしましょう。
痛み止めで症状を感じなくなっているときに無理なストレッチをすると、二次的損傷を生じる恐れがあります。
二次的損傷を生じた場合には回復が遅れることはもちろん、痛み止めが切れたときにつらい症状に見舞われます。
首の寝違えでストレッチできない場合の対処法
首の寝違えにともなう痛みが強く、ストレッチができない場合には、次の方法で回復を図ることがおすすめです。
- アイシングを行う
- 痛み止めを利用する
- 急性期を過ぎたらお風呂で温める
- 首の可動域を少しずつ広げる
- 何度も痛みを確認しない
首の寝違えでストレッチできない場合の対処法について詳しく見ていきましょう。
首の寝違えでストレッチできない場合の対処法①アイシングを行う
首の寝違えにともなう痛みが強い場合には、アイシングを行うのがおすすめです。
アイスパックや氷水を入れたビニール袋などを患部に当て、痛みを感じなくなるまで10分程度冷やします。
ただし、アイシングを行うのは寝違えを発症してから48時間以内に留めましょう。
首の寝違えでストレッチできない場合の対処法②痛み止めを利用する
首の寝違えにともなう痛みが強い場合、痛み止めを利用する方法もあります。
とにかく早く痛みを抑えたい場合は、ロキソプロフェンやイブプロフェンを配合した痛み止めが効果的です。
痛み止めで胃への負担を増すのが心配な方は、アセトアミノフェンを配合した痛み止めにするとよいでしょう。
首の寝違えでストレッチできない場合の対処法③急性期を過ぎたらお風呂で温める
寝違えの急性期を過ぎたら、お風呂で温めるようにしましょう。
寝違えを始めとする炎症性の疾患を発症した場合、およそ48時間ほど炎症が強い期間(急性期)が続きます。
しかし、48時間を過ぎても患部を冷やしていると、かえって症状の回復を妨げるため、温める方向へ切り替えることが重要です。
首の寝違えでストレッチできない場合の対処法④首の可動域を少しずつ広げる
首の寝違えでストレッチができない場合、無理のない範囲で首の可動域を少しずつ広げることがおすすめです。
痛いからといってまったく動かさずにいると、かえって患部周辺の筋緊張が生じ、回復を遅らせてしまいます。
首の可動域を広げる無理のない方法は以下の通りです。
② 痛みが出る手前まで顔を左(または右)に向ける
③ 痛みが出る手前まで頭を左(または右)に倒す
④ 指先で軽く筋肉を押さえ(5秒)離すことを繰り返す
④のときに血管を一時的に圧迫し、離したときに血液が流れるイメージで行い、強く筋肉を押さえすぎないよう注意しましょう。
首の寝違えでストレッチできない場合の対処法⑤何度も痛みを確認しない
首の寝違えでストレッチができない場合、何度も痛みを確認しないことが重要です。
痛みがあるとつい確認したくなるものですが、痛みが出る動き(疼痛誘発動作)を繰り返すと、患部をさらに傷つける恐れがあります。
寝違えを起こしてから経過した時間に応じて適切に対処し、可能な限り早くつらい痛みを取り除きましょう。
首の寝違えに効果的な4つのストレッチと注意点|まとめ
首の寝違えは筋緊張の積み重ねにより発症することが一般的なため、早く改善するためにはストレッチが効果的です。
ただし、発症直後のストレッチはかえって症状を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。
また、寝違え以外に手のしびれや感覚の鈍麻、自律神経系の不調が見られる場合、何らかの病気も疑われるため、自己判断で放置せずに医療機関を受診しましょう。
今回ご紹介したポイントを参考に、寝違えのつらい症状を早く改善してくださいね!